
ボクシング競技において、性別を巡る論争が起きた際に注目されたキーワード。
女子66キロ級に出場したイマネ・ヘリフ(アルジェリア)と、女子57キロ級に出場した林郁婷(台湾)の両選手について、「男性ではないか」として女子競技への出場を疑問視する声が挙がった。
両選手は前年に IBA(国際ボクシング協会)が主催した世界選手権において、性別適格検査で不合格となっていた。一方、パリ大会を主催する IOC(国際オリンピック委員会)は「IBAの検査は不透明で欠陥がある」と指摘し、「パスポートに女性と記載されていること」を根拠に両選手の出場を認めていた。
生物学的に男性はXY染色体を持ち、女性はXX染色体を持つが、両選手はXY染色体を持つとされる。ただ、性分化疾患を抱えた選手やトランスジェンダーの問題も含めて、女子競技への参加資格を巡る議論は決着がついていない。
なお、ヘリフと林は誹謗中傷にさらされながらも各階級で勝ち進み、それぞれ金メダルを獲得した。